気難しいけれど、優しい妖精です 『クロスステッチで楽しむ 北欧の妖精トムテ』(ネコ・パブリッシング)

今回はネコ・パブリッシング様より発売中の『クロスステッチで楽しむ 北欧の妖精トムテ』についてご紹介します。
『クロスステッチで楽しむ 北欧の妖精トムテ』表紙
本書は、スウェーデン人デザイナー、ジェリー・ローペ(1919-2005)が1960年代に発表したデザインシリーズ「トムテ」から、ユーモアある愛らしいデザインを、クロスステッチで表現した図案集です。
クロスステッチが好きな方、北欧好きの方にもオススメ。

そもそもこの”トムテ”とは、北欧の民間伝承に登場する小さな妖精で、日本でいうところの座敷童などが該当すると考えてもよいのかもしれません。
気難しいけれど、優しい妖精なんだとか。
北欧の一部地域ではサンタクロースの原型とする説もあって、家々に幸福をもたらします。
近年では、現地の人によってその姿が映像に撮られるなど、去年の某年末オカルト特番でも盛り上がりましたね!

…すみません。脱線しました。

ウエイドでは、ブックデザイン・レイアウトから図案トレース・テクニックイラストまで含めて、一冊まるごと担当させていただきました。
図案はピクセルアートさながら、一見昔の初代スーパーマリオみたいです。マスが細かいので、トレース作業でも正確さが求められます。
どこかで1マスずれが生じてしまうと、後で修正したりチェックし直すのに大変な手間がかかってしまうのです。緊張です。
『クロスステッチで楽しむ 北欧の妖精トムテ』本文
実際に縫い進めていくと、あったか可愛らしいトムテのクロスステッチのできあがりです。

ちなみに、巻末のうれしい特別付録・トムテの刺繍ワッペンにご注目。
『クロスステッチで楽しむ 北欧の妖精トムテ』ワッペン
ちょっと目線を変えていただいて、台紙を見ていただくと、刺繍に合わせた可愛らしい背景イラストが特色インクで印刷されていますが、
この布風テクスチャーが施されたもとの特色画像データを、入校時に印刷用グレースケールデータに置き換えるのにはちょっとした、でもデザイナー熟練の小技が潜んでいます。
そんな製作側の立場で見てみると、ワッペンを飾る縁の下の力持ち的存在の台紙も素敵に見えてきませんか?

その他、オーナメントの作り方なども掲載されているので、クリスマスの飾り付けを手作りで…、なんていうのもなかなか素敵。
北欧の冬は長いですが、文化雑多な日本では、うかうかしている間にすぐにお正月です。
お買い求めの際は、お早めに書店まで。

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