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『歴史群像』「武器と甲冑」プロジェクト始動!

ゴールデンウィークも終わって5月も半ば、いよいよ空気も暖かくなってきましたね。
この記事が載る頃にはもう片付けられているかもしれませんが、デパートの子ども用品売り場には兜飾りがずらりと並び、町を歩いているとそこかしこに鯉のぼりを見つけます。私の家にも昔兜飾りがありました。弓と太刀がついた結構精巧なもので、毎年飾り付けるのが楽しみだった記憶があります。
さて、兜飾りは言うまでもなく武士が用いていた兜が起源です。また鯉のぼりも旗指物が元になっていますし、神社で買う破魔矢に剣道や弓道といったスポーツ、最近は刀を擬人化したゲームが大人気という話もあり、普段特に意識することさえないほど、武士の用いた武具は日本人の生活の中に溶け込んでいます。

とはいえ、武器や甲冑の具体的な構造や変遷となると、もはや研究家の領域です。例えば一般的な兜飾りは「平安時代の兜をもとに江戸時代に作られた兜」がモチーフとなっていますが、それを意識して兜飾りを買う人はいないでしょうね。
そもそも戦後、武器や戦術といった軍事史研究は、軍国主義的との批判を受け、長らく日陰に追いやられてきました。多くの武将の生涯が小説となり映画となっていくなかで、いざ戦闘が主題となると、源平合戦の鵯越の逆落としや、長篠の戦いの鉄砲三段撃ちといった伝説じみた話が巷間に流布されてきたのです。しかし近年になりようやく軍事面にも光が当てられるようになり、実証的な研究が進んできました。

そしてついに、戦場における武士の姿を、マンガ、イラストを用いて解説しようという試みがこの度始動。それが学研プラス様より発刊の「歴史群像」6月号より連載開始の『武器と甲冑』です。武士はどんな武器を持ち、どんな甲冑を纏い、どのように戦ったのか。
研究家樋口隆晴様と私、ウエイドのイラストレーターわたくし渡辺信吾が強力タッグを組んでマンガ形式で解説します。

こちらの連載では樋口様が取り上げる内容を構成し、それを受けて私が様々な文献を参照しつつマンガとイラストを制作して、最後に樋口様に全体をまとめる形で解説の本文を入れていただきました。第1回でなかなか効率的な描き方が見つからず苦労も多かったですが、全6ページフルカラーの超弩級記事に仕上がったと自負しております。

ちなみに第1回の内容は武士が権力闘争の舞台へと躍り出た保元の乱。当時の武士の主力兵器だった弓の威力、そして戦法へと迫ります。
歴史群像 2016年 06 月号 新連載武器と甲冑

なおこの連載、平安から江戸時代へと至る「武士が戦っていた時代」を順を追って取り上げ、武士の武器、甲冑、そして戦法の全てをビジュアル的に復元しようという大プロジェクト。伝説のベールに包まれた戦場の実際が具体的にイメージできるようになるでしょう。
『武器と甲冑』第1回が載った『歴史群像2016年06月号』(学研マーケティング)は好評発売中!
歴史群像 2016年 06 月号 表紙
日本中世史研究に刻まれる新たな1ページを、どうぞその目でご覧ください。

実績紹介:『仏教十三宗派「名僧と縁の寺」』(宝島社)

 突然ですがここで質問です。皆さん仏教の宗派というといくつ思いつくでしょうか?「真言宗に・・・、浄土真宗・・・」と、何個も思いつく方はそう多くはないのでは?
 そこで本日ご紹介するウエイドの新刊がこちら。株式会社宝島社様から刊行の『仏教十三宗派「名僧と縁(ゆかり)の寺」』です。
『仏教十三宗派「名僧と縁の寺」』(宝島社)表紙
 そう、日本の仏教はこの本で紹介している十三の宗派に分かれているそうです。本書では各宗派の成り立ちや思想、開祖となった名僧や縁の深い有名な寺などが解説されています。

 この度ウエイドでは、フォーマットデザインとDTP、地図の制作を行いました。十三ある宗派に合わせて十三の章がありましたので、章扉で宗派名を強調し、カラーと地紋の組み合わせで十三パターンのフォーマットをつくりました。
仏教十三宗派「名僧と縁の寺」』(宝島社)本文1仏教十三宗派「名僧と縁の寺」』(宝島社)本文2仏教十三宗派「名僧と縁の寺」』(宝島社)本文3仏教十三宗派「名僧と縁の寺」』(宝島社)地図
 また今回は短期間での仕事ということで、DTPを複数のデザイン事務所で行うため、ウエイドでフォーマットを作って各事務所に配るという形となっていました。

 そこで気をつけたのは「データのわかりやすさ」です。
 フォーマットデータを受け取ったDTP担当の方がスムーズに作業できるよう、一目見てつくりがどうなっているかわかるよう心がけました。
 最終的な見た目には影響しない所ですが、使いやすいフォーマットデータを作るのは意外と繊細な配慮が必要で、その良し悪しが作業の効率に影響しているのに、きちんと作れるデザイナーは少ないのが実情です。
 今回はタイトなスケジュールでの作業でしたが、編集の方との確認や問い合わせも少なくすむよう工夫し、手際よく作業を進められたと思います。

 もしフォーマットを、それも作業が進めやすいデータの制作を依頼したいとお思いなら、まずはウエイドまでお気軽にお問い合わせください。

 『仏教十三宗派「名僧と縁(ゆかり)の寺」』は現在全国の書店にて発売中。大仏で有名な東大寺は華厳宗のお寺であることや、江戸時代に伝わった黄檗(おうばく)宗という宗派があることなど、身近なようで意外と知らない仏教の情報が満載。写真も豊富で旅行先探しにもうってつけの一冊ですよ。

実績紹介:『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』

 みなさんこんにちは!ウエイドの新刊案内のコーナーです。今日ご紹介するのはこちら、毎日新聞出版様から発行の『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』です。
『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』(毎日新聞出版)表紙
 今回こちらの本では装丁からページデザイン、地図制作など幅広く手掛けさせていただきました。

 真田幸村といえば今年のNHK大河ドラマ『真田丸』の主人公に抜擢され、今最も注目される戦国武将といえるでしょう(ちなみにドラマでは「幸村」ではなくより史実に正確な「信繁」の名前が使われるそうです)。
 この本も大河ドラマとのタイアップ企画となっていて、巻頭には『真田丸』出演陣の特集が組まれております。
『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』(毎日新聞出版)大河ドラマ

 ウエイドは毎年大河ドラマに関連した歴史本を手がけていますが、近年の戦国ブームの中でトップクラスの人気を誇る真田幸村だからか、今年ほど関連本が多く出る年も無かったように感じられます。その中でいかに独自性を出すかが重要でした。
 真田幸村といえば、六文銭もしくは角の生えた真っ赤な甲冑をイメージする方が多いかと思いますが、今回はあえて外して、今まであまり使われていない浮世絵を表紙に採用しました。また編集の方からターゲットについて、比較的年配層と聞いていたので、落ち着いた地に足のついたデザインを心がけました。
『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』(毎日新聞出版)本文1
『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』(毎日新聞出版)本文2
 似たような本が多くある中、ちょっと枠を外して他と差を出しつつ、かつターゲット層に合わせたイメージにするというのは当然いつも心がけていることなのですが、今回の「真田幸村本ラッシュ」においては我々の引き出しがどれだけあるのか…。ある意味新たな挑戦だったようにも思えます。

 ところで大河ドラマ『真田丸』も、いよいよ放送が始まりました。脚本はあの『新選組!』の三谷幸喜ですから、あっと驚く展開で視聴者を驚かせてくれるでしょう。
 『真田幸村のすべて 大阪城決戦!「真田丸」への道』は全国書店にて好評発売中、大河ドラマ『真田丸』はNHK総合で毎週日曜20:00から放送中(再放送は翌土曜日13:05〜)です。みなさまどちらともよろしくお願いいたします。

 そしてそして、2017年の大河ドラマは柴咲コウさん主演の『おんな城主 直虎』。実在した女性大名井伊直虎を主人公にしたお話だそうで、また関連本を制作する際にはぜひウエイドに声をお掛けくださいませ!

ブラタモリ スペシャル にウエイドの地図が登場!

7月20日(月・祝)の午後7:30からNHK総合で「ブラタモリ スペシャル 東京駅 ~巨大地下空間は歴史の生き証人!?~」が放送されます。

今回のテーマは「東京駅周辺に広がる地下空間に隠された様々な秘密を探る」だそうです。
八重洲の地下に眠る江戸城の痕跡や、最先端の地下の利用法などなど…。

http://www.nhk.or.jp/buratamori/yokoku.html#Tokyo

…何を突然!?と思われると思いますが、今回のブラタモリの中でウエイドが制作に携わらせていただいた『新版 大江戸今昔マップ』(KADOWAKA中経出版)に掲載されている、江戸時代の古地図の上に現代地図を描き加えたマップが使用される予定なのです。

『新版 大江戸今昔マップ』(かみゆ歴史編集部編・KADOKAWA/中経出版)表紙
番組の中で残念ながら本のことは紹介いただけないそうですが興味を持たれた方はぜひこの表紙の本をお探しください。

数年前に「ブックデザイン」の賞をいただいたり、テレビでタモリさんが控え室で『大江戸今昔マップ』を読んでいるのがちらっと映ってみたり…。
常に私たちに話題をもたらしてくれる本です。

『新版 大江戸今昔マップ』(かみゆ歴史編集部編・KADOKAWA/中経出版)マップ
トレペ風の紙に古地図をうっすらと印刷することで、透けた感じを出しています。

この地図制作はなかなか歯応えのあるお仕事だったので、その時の苦労が思い出されるとともに、「編集の皆様のイメージを形にするため、考えを巡らせ、汗をかき、長く広く多くの読者に愛される本を1冊でも多く作りたい」という思いをいま一度強く心に刻み直す機会をもらえるのです。

この本を企画され、我々に制作をお任せくださった版元の皆様、かみゆ歴史編集部様にただただ感謝の気持ちでいっぱいです。

ぜひ番組をご覧になるだけでなく、この本もお楽しみください。
地図を片手に史跡巡りも楽しめます。

実績紹介:『歩いてわかる!江戸城の秘密』原史彦 監修、洋泉社

みなさんこんにちは!ウエイドの新刊案内のコーナーです。
今回ご紹介するのはこちら、洋泉社様より刊行の歴史書『歩いてわかる!江戸城の秘密』(原史彦 監修)です。

『歩いてわかる!江戸城の秘密』表紙

この本ではレイアウトデザイン、図版、地図…つまり表紙周り以外のデザインワークを全て担当させていただきました。

江戸時代、徳川将軍家の本拠として発展し、日本最大の規模を誇った江戸城。明治維新後は天皇の住まいとなり、今もなお皇居として東京の中心にあります。そんな江戸城の歴史が、わかりやすいQ&A方式で解説されています。

太田道灌による築城、明暦の大火による消失、桜田門外の変といった歴史的大事件をはじめ、徳川埋蔵金、大奥のスキャンダルといったいわくありげな秘密まで、思わず人に話したくなるトピックが満載です。

『歩いてわかる!江戸城の秘密』本文
『歩いてわかる!江戸城の秘密』本文

さらにこの本の最大の特徴は、城跡散策に便利な地図つきで、紹介されたポイントを実際に訪れることができる点です。さらにさらに、「二重橋の名前の由来は?」「どうして天守台には亀裂があるの?」城跡を訪ねた時湧き上がる様々な疑問にも、ズバリ答えてくれます。
皆様もこの本を片手に、皇居へと足を運んでみてはいかがでしょうか?

江戸城の激動の歴史を肌で感じることができる『歩いてわかる!江戸城の秘密』は全国の書店にて好評発売中です!

実績紹介『歴史REAL 敗者の日本史』

こんにちは!

ウエイドが地図・イラストの制作に携わらせていただいた本が新しく発売されましたので、ご紹介いたします。

今回ご紹介するのはこれ、洋泉社MOOK歴史REAL 敗者の日本史』です。
歴史REAL 敗者の日本史 表紙
巻頭特別企画では、近年発見され、日本唯一のピラミッド状古墳として大きな話題となった奈良県明日香村の都塚古墳を、写真やイラスト、地図でわかりやすく解説。遥か昔に失われた古墳本来の姿が鮮やかに蘇ります。
歴史REAL 敗者の日本史 図解ページ

また今回の巻では、戦に敗れ、歴史の闇に消え去った「敗者」達に大きくスポットライトを当てています。古代の豪族から戦国武将、さらには終戦直後皇籍を離れることとなった皇族まで、激動の時代に翻弄された彼らは、どのように行動し、そして敗れ去ったのか。理解を助ける豊富な図版資料とともに、長らく顧みられなかった敗者達のストーリーを丁寧に拾い上げます。悲しくもロマンあふれる彼らの滅びの美学に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

洋泉社MOOK歴史REAL 敗者の日本史』は全国の書店にて好評発売中です。

『原田君にもわかる!日本史』春の店頭レポートその7

この週末、ウエイドスタッフ有志はフリーペーパーの取材を兼ねて、奈良・吉野〜京都へお花見旅行に行って参りました。
奈良・吉野の桜
吉野は少し早めでしたが、京都はまさに見頃で、しばし日常を離れ、古都の情緒を満喫し、帰り際に1店舗だけですが、『原田君にもわかる!日本史』を扱って頂いているお店を訪問してきました。

そのお店はアバンティブックセンター京都
京都駅と地下通路でつながった複合商業施設、京都AVANTIの6Fです。
『原田君にもわかる!日本史』アヴァンティブックセンター京都にて
発売から結構経過しましたが、まだまだ平積みにしていただき感激です!

流通を委託しているトランスビューの工藤様からもプッシュして頂いていたと伺ってさらに感激!

広報、宣伝にいっそう頑張る決意を固めた一同でした。

京都には他にも取り扱って頂いているお店があるのですが、残念ながら時間切れ。
地方に出向いた折りには、またお店訪問をしたいと思います。