医薬品業界が注目する植物メタボロミクスの世界をイラストで図解!

薬局で処方される漢方薬や植物由来のお薬たちを、“辛気くさい”なんて思ってる方いませんか?
「効き目が分かりづらい」とか「いつまで飲めばいいの?」なんて言いたそうな顔が目に浮かびますよ。

でも、想像力豊かな皆さんならきっとお分かりになるはず。

もし突然植物のいない世界に放り出されたら。
美容と健康の味方、ビタミンやリコピン、食物繊維だけではありません。
解熱鎮痛剤となるアスピリンに、あの有名なカフェインやポリフェノール。
それから抗がん剤の原料になる成分も無くなってしまいます。
……ああ、恐ろしい。実に恐ろしい!

そこで!
今改めて植物の重要性を実感した賢明なみなさまにお勧めしたい、これまた賢明な内容の一冊、『植物はなぜ薬を作るのか』(斉藤和季 著/文藝春秋)を今回ご紹介します。

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ゲノム科学などの分子生物学の進展によって明らかになりつつある、植物たちの薬を作る能力について、薬の歴史から最先端の研究まで幅広く、丁寧に解説しています。

薬学の基礎知識のある方はモチロンのこと、僕のような健康志向な一般人、さらには「化学の基本は習ったけど、薬学となると興味はあるけど詳しく知らないんだよね〜」という理系の方、さらにさらに薬学部に進もうか迷っている高校生までもが楽しめる内容です。
研究が進む事によって、多くの薬に配合される甘い薬効成分カンゾウのような、植物由来の化学成分が人工的に作り出せるようになるかもしれないとか。

この分野で、今注目されている著者の斉藤和季先生が、「○○は××に効く」といった効果だけ解説するのではなく、「どうしてそうなるのか」という仕組みまで踏み込んで説明しているので、入門書にありがちなモヤモヤをしっかり解消してくれます。

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ウエイドでは全体の解説イラストを、東大工学部卒という異色の経歴を持つイラストレーター原田くんが担当しました。(ウエイド発行『原田君にもわかる!日本史』のあの人です。)

内容が内容だけに、編集さんがイラストを依頼しようにもどんな図が適切か決めかねるとうことで、ここ幡ヶ谷から千葉大学まで、著者の先生との打ち合わせに参加させていただきました。

打合せの際には図の見せ方について様々なご提案をさせて頂き、先生からも簡潔で明快なお答えや描き方のアイデアをご呈示いただいたそうです。もちろん、これは化学の基礎知識がある原田くんだからこそできる事ですね。
その甲斐あって、専門用語が多くて文章だけでは伝わりにくい部分を、化学初心者でもついていけるようにヴィジュアル化できたのではないかと思います。

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特に今回のハイライトはこの“DNAトポイソメラーゼ Ⅰ と抗がん薬カンプトテシン”の働きを解説したイメージ図。

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薬学未習得の私には「トポ、メラ、…ん?」という感じでしたが、この図のおかげで細胞分裂の仕組みとカンプトテシンが効く理由が理解できました。たぶん…。

昨今、日本人のノーベル賞連続受賞で盛り上がるサイエンス界ですが、ウエイドのサイエンス系のお仕事も今熱いです!

手芸や歴史分野にくわえて、サイエンス系のお仕事もこの場でもっと紹介していきたいと思っておりますので、お仕事のご依頼・ご相談をドシドシお待ちしております!
Q.E.D

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