今を去ること数年前、私が都内の某ファミレスでキッチンのアルバイトをしていた時のこと、新メニューのお知らせを黒板の看板に描いておりました。
当時は漫画のアシスタントのバイトも掛け持ちしていたので頼まれたのだと思います。
思いのほか好評でずっと私が担当だったのですが、常に悪戦苦闘していました。
まずチョークという画材が初めてだったので描きづらいのなんの…。
チョークでパスタの上のエビを一生懸命描こうとして結局挫折したのは苦い記憶です。
そして何より難しかったのが全体のレイアウト。
下書き無しの一発勝負で絵と文字の配置を決めるのはなかなか思い通りにいきませんでした。
今もカフェやレストランの店先にお洒落な看板があると、どうやって描いているのだろうと思って見てしまいます。
さて、そんな当時の私が読みたかった本が、スタンダードスタジオ様から登場しました。
『プロのアーティストが教える黒板描画のA to Z ! 手書きチョークアートのアイデア&テクニック』です。
著者の佐藤真理さんはオーストラリアで学んだ日本におけるチョークアートの第一人者。
本書はその佐藤先生のノウハウがつまった一冊。
レイアウトの工夫やパスタやコーヒーカップの描き方など看板制作のアイデアが満載です。
(そうか、あのエビはこうやってデフォルメすれば良かったんだ!)
本書ではウエイドが本全体のデザインを担当しています。
チョークアートの本なのでトビラページはチョーク風に。
カットで入る説明の写真がすでにアート作品ですので、飾りはできるだけシンプルで作品の邪魔にならないようにしつつ、それでいてオシャレなカフェの看板のような賑やかな印象にデザインしました。
そうそう、カフェ看板の話で言うと、ウエイドの近くのコーヒーショップにいつもこんな看板が出ています。
前を通るたびにチラッと確認して、無駄知識を仕入れています。
こんな風に、毎回観るのがちょっと楽しくなる看板を描けるといいですよね。