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すっきりしたブックデザインで、現代アートに触れよう!

春があっという間に過ぎ、初夏がすぐやってきそうな今日この頃ですね。
そんな時は涼しい美術館で現代アートに触れる、なんていうのはいかがでしょうか?

今回は現代アートを鑑賞する際、是非読んで欲しい一冊をご紹介します!
わかりたい!現代アート』(布施英利 著)

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ウエイドでは本文デザインを担当させていただきました。
現代アートということで、スッキリかつ、おしゃれな印象を持たせるデザインを意識しました。

カバーデザインは佐藤卓デザイン事務所がご担当。グッドデザイン賞のロゴやおいしい牛乳のパッケージなどで有名な事務所ですね。
ウエイドの担当デザイナーの若い頃からのあこがれだそうで、同じ案件に関われる喜びと緊張感を胸に作業したそうです。

わかりたい!現代アート」とありますが、作品や作者のプロフィールを紹介する本…というよりも、
作者の経歴や主な作品を(写真を使わずに!)解説し、作品の作られた経緯や時代背景などを、わかりやすい言葉で掘り下げた一冊になっております。

「モダン」と「ポップ」というキーワードを軸に、モダンアートを代表するピカソやカンディンスキー、ポップアートを代表するアンディ・ウォーホルから名和晃平氏まで、年代順・アーティスト別に紹介されています。
まずは自分が興味のある作品のアーティストから読んでみるのもいいでしょう。

美術館などで予備知識なく作品を眺めるだけよりも、作者自身のことや作品の背景を知ることで、また違った見方ができるのではないでしょうか?
また、それぞれ項目には〆の一言が添えられていて、その一言を読むだけでも造詣を深めることができると感じました。

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この本に紹介されている現代アーティストのひとりに会田誠氏がいます。
私自身、色使いや独特な表現方法に惹かれ、気になっていたアーティストで、以前六本木で開催されていた個人展示会にも足を運んだ記憶があります。

詳しい内容については…ネタバレになってしまうので割愛しますが、独特なモチーフを使う作品が多い会田氏がなぜそのモチーフを使うのか?という理由なども掘り下げられており、作品の新たな見方を発見をすることができました。

私なりの考えですが、現代アートとはただ技術や技法を追うのではなく、作品に込められた作者の思考(または嗜好?)に触れることにより、その面白さを感じるのではないかと思います。

「現代アートってなんだろう?難しそう…」「どうしたら現代アートを楽しめるんだろう」と感じる方に是非読んでほしい一冊です。

文庫の図版作成はウエイドにお任せ下さい!(実績紹介『航空会社 驚きのウラ事情』(河出書房新社))

飛行機に詳しくない方でも、「ジャンボジェット」という言葉はまず間違いなく聞いたことがあるでしょう。アメリカのボーイング747につけられたニックネームです。1970年の就航以来、史上最大の旅客機として世界中の空を飛び回ったまさに旅客機の王様。かつて日本はアメリカに次ぐ数の747を保有していました。飛行機で海外旅行に行ったことがあるという方は、だいたいこの飛行機に乗ったと考えていいでしょう。

がしかし。現在JAL、ANAを始め、日本の旅客航空会社は、一機も747を運行していません。ジャンボジェット退役のニュースは結構テレビでも取り上げられましたね。
さらに昔の話となりますが、JALが破綻した後再建されたり、格安航空(LCC)が台頭したり、そうかと思えばスカイマークが破綻したり(A380を買うって話だったから楽しみにしてたのに!)、日本国内だけを見ても航空業界はなんだか戦国乱世の様相を呈しています。

その航空業界の今に鋭く切り込む本がこれ。河出書房新社様から刊行の『航空会社 驚きのウラ事情』です。
『航空会社 驚きのウラ事情』(河出書房新社)表紙
姿を消したジャンボジェット。破綻、合併を繰り返す大手航空会社。勃興するLCCなどなど、航空業界関連の雑学が目白押し。飛行機での旅行の前に読んでおくと、空の旅が楽しくなること請け合いです。

今回ウエイドでは、こちらの本の図版、表組、地図を制作しました。
本が文庫サイズだったので小さい図版でどう分かりやすく説明するかいうことが今回のミソ。シンプルにしつつ、一目で内容が理解できるよう的確な省略を心がけました。
また色がモノクロだったので、表組や地図などの各要素を濃淡だけで区別できる配色としたのもポイントです。
『航空会社 驚きのウラ事情』(河出書房新社)図解『航空会社 驚きのウラ事情』(河出書房新社)地図『航空会社 驚きのウラ事情』(河出書房新社)表

ここ最近混沌とした空の世界ですが、今日本の航空業界には新しい風が吹き始めています。
特に関心が高いのが、三菱が開発を進める三菱リージョナルジェット(MRJ)でしょう。YS-11以来となる国産旅客機で、日本国内外からの受注状況に注目が集まっています。度重なる開発遅延がどういった影響を与えるのか、カナダ、ブラジルのライバルメーカーにどこまで対抗できるのか、航空ファン最大の関心ごとといっていいでしょう。

他にも自衛隊の保有する新型機、US-2飛行艇P-1哨戒機の海外売り込みが成功するか否か、日本初のステルス機X-2の今後など気になる話題は枚挙に暇がありませんが、もう本の内容とも関係なくなってきましたのでここまでとしておきましょう。

実績紹介 『新版 本格焼酎を愉しむ』文庫図版

私たちの仕事は裏方的な物が多く、進行中に全体像を知らないまま作業していることも、ままあります。
絵の入っていない画面に声をあてる声優さんのような心境、といったら気取り過ぎでしょうか。
本格焼酎の作り方図
こちらもそんな仕事。本格焼酎の作り方図です。
1図だけなので、素早くきちんと作って納品したら、後は請求し忘れないようにメモして、頭の中からはほとんど消滅しています。

1ヶ月程経って、届いた包みを開けてびっくり。

『新版 本格焼酎を愉しむ』(光文社)表紙
新版 本格焼酎を愉しむ (光文社知恵の森文庫)
なんと世界のソムリエ田崎真也さんの本でした。
田崎さんと焼酎をめぐるエピソードや、焼酎の雑学はどこから読んでも興味深いです。
また、文庫でありながら、後半の銘柄紹介では各焼酎の瓶をカラー写真で紹介。
後書きによれば、文庫化に際し全てテイスティングし直し、終売品などもあって内容を全面的に見直したとか。
手間ひまかかった、全面改訂での文庫化です。

『もやしもん』以来、発酵モノに反応するブログ担当、じっくり読みたいと思います。