カテゴリー別アーカイブ: 手芸

超☆画期的!買ってすぐ作れる洋服型紙!!

子供の頃付録付きの雑誌が好きでした。
小学◯年生とかタイトルのついたアレです。
雑誌にはあらかじめミシン目の入った厚紙のキットがついてきて、それを手で切り離して組み立てるとおもちゃになるというわけです。

もう雑誌自体の内容は全く忘れてしまいましたが、何か戦隊物ヒーローの武器を作ったような記憶があります。
私自身はほとんど戦隊物を見ていなかったのですけどね。
(でも忍者戦隊カクレンジャーのロボットは持ってました)

そう、なんでも買ってすぐ作れるというというのは大変お得感が強いのです。

そしてその「買ってすぐ作れる」を前面に押し出した斬新な手芸本がこちら。
NHK出版様から刊行の『NHKすてきにハンドメイド そのまま切って使える型紙BOOK』です。

この本では、型紙部分のトレースとレイアウトを、我々ウエイドが担当いたしました。

1冊で1アイテムが作れて、シリーズ第1弾として「はおりもの」「パンツ」「ワンピース&チュニック」が発売中です。
そして型紙が付録になっているのですが、実はこの型紙が他と一味違います。

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通常の手芸本では、一枚の型紙に複数の作品が重なって掲載されていたり、表裏両面に印刷されていたり、丈の長いパーツは分割されていたりします。
作品を作る前に、まず型紙を別の紙に写し、分割されたものはつなぎ合わせなければなりません。

下ごしらえなのに結構手間がかかるので、写し終わったところで「続きはまた明日」という経験のある方も多いのでは?

そこで、この『そのまま切って使える型紙BOOK』の登場です。
片面印刷で、パーツ同士が重なり合うことなく、縫い代つきで配置されていて、他の紙に写す必要がありません。
袋から取り出して、切り離して、そのまま洋服を作り始めることができます。

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ストレスフリー。
むしろ型紙の存在感を前面に押し出している感じです。

すごい贅沢! なんて革命的!
ご覧頂いた表紙からも伝わってきますよね。
一般的なソーイング本とは型紙の扱い方に一線を画しています。
作家さんや編集さんは、作りやすい型紙を付録にしたいと常々思いつつ、掲載作品全部の型紙を載せたいし、型紙のスペースは限られているし…と、制約の中で本作りをしています。
そんな中で思い切って作品を絞り込むことで実現した、挑戦的なシリーズです。

またお値段も大変リーズナブルで、一冊900円(税別)になっています。
型紙だけで1500円くらいの物もありますから、写真や作り方もついてこのお値段はお買い得ですね!

型紙デザインは著者の月居良子先生!
シンプルで作りやすいのに、着ると立体的でオシャレと、ソーイング界で長年ご活躍の方です。

なかなか作品を仕上げられていない初心者さんも、型紙写しが面倒になってきたベテランさんも、是非、試して頂きたいシリーズです!

ちりめん細工〜江戸から続く女子の嗜みを分かりやすいイラストで紹介〜

みなさん、たばこと塩の博物館には行ったことがありますか?

東京都墨田区にある煙草と塩についての博物館で、日本専売公社(今のJT)が設立しました。
こちらの博物館では煙草と塩の展示以外にも、日本やアジアの文化に関する特別展を度々開いています。

そして現在開催中の展示が、「ちりめん細工の今昔」です。

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ちりめん細工とは、着物を作る際に出た余りのちりめんを使った裁縫細工のこと。
江戸時代に始まり、明治・大正と上流階級の女性の嗜みとされました。

今回の特別展は江戸〜大正にかけて作られた様々なちりめん細工を一堂に集めたもので、兵庫県姫路市にある日本玩具博物館の協力のもと開催されています。
ちなみに開催期間は1月23日〜4月8日までです。

その日本玩具博物館ではちりめん細工の伝統を継承するため、ちりめん細工の講座を開催しているのですが、「ちりめん細工の今昔」展では第二部「今によみがえった平成のちりめん細工」展として同館認定講師の方々の作品も展示されています。
現代の作品はちりめん細工をいくつも紐で吊るした「つるし飾り」や「傘飾り」が多く、非常に賑やかな印象です。

さて、その日本玩具博物館認定ちりめん細工講師の方々が執筆した、ちりめん細工のハウツー本がこの度発売されました。
日本ヴォーグ社様から刊行の『季節のつるし飾りとちりめん細工』です。

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ウエイドではこちらの本の作り方の図と実物大型紙のトレースと配置を担当しました。
このつるし飾りは様々なちりめん細工を組み合わせて作るため、パーツ数が非常に膨大です。
多くの図を紙面の中に配置するので窮屈な印象になりがちですが、ウエイドはつるし飾りやちりめん細工の本ならすでに何冊も手がけております。
知識と経験を総動員しつつ、少しでも見やすく解りやすい図になるよう考えながら仕上げました。

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ところで「ちりめん」って漢字で書くと「縮緬」なんですね。

なんだか字の感じが「担担麺」に似てます…。

畳の縁から素敵な小物を!

畳縁(たたみべり)というものを御存知でしょうか?

畳の縁につけ、補強と飾りを担う布の部分を指します。
今、この畳縁を使用したハンドメイドが流行っているって知ってましたか?

畳の縁というと、伝統的な模様ばかりなのでは?と想像される方も少なくないと思いますが、
最近では、水玉や幾何学模様、ハロウインをイメージしたの西洋の図柄など、かわいらしい模様が増えているのです。
それらを利用して、コサージュなどの小物アイテムから、帽子やバッグなどまで作ることができるのです。

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畳縁ハンドメイドBOOK』(日本ヴォーグ社さん)
ウエイドでは作り方ページを担当しました。

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また、発刊に先駆け、店頭で配布用リーフレットの作り方ページも制作しました。

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畳縁が書店で売れているのに、それを使った手芸の本が無かったため、本が企画され、本ができるまでのサービスと宣伝用に、リーフレットが作られたというわけです。

今回ご紹介するにあたり、実際に畳縁を購入しようと手芸屋さんを回ってみたのですが、なかなか見付からず、吉祥寺のパルコブックセンターで見つけました。
書店で売れているというのは本当のようです。

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実際手にしてみると、さすが畳の端をぬいつけるだけあって、しっかりと丈夫な布という印象です。
堅いだけの布ではなく、形をつけやすいしなやかさもあるようです。

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模様が織り込まれているので、重いのかな?と考えていましたが、そんなことなくとても軽いです。

幅が狭いので、小さな物や細長い物しか作れないのでは?と思った方、ぜひ本を手に取ってご覧下さい。
実に色々なアイデアで、結構大きなバッグなども作れてしまいます。

いつもでしたら、作ってみました!と、したいところなのですが、
どの小物もかわいくて悩み中…ということで、出来次第お知らせできたらなと思います。

余談ですが、小さい頃から畳の縁は踏んではいけない、と言われてきましたが、
畳の縁の種類に、家紋などをいれる「紋縁」というものがあるようで、それを踏むと失礼にあたるため…
ということだそうです。

パッチワーク界の人気No.1アイドル! その素顔とは?

今回ご紹介するのは、ブティック社さま発行の『パッチワーク教室』。
手芸書大手の出版社から発行されている、人気のパッチワーク雑誌です。

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ウエイドでは、2018年冬号にて作り方ページのトレース・DTPをお手伝いしました。

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これまで様々なジャンルの手芸書を手がけてきたウエイド手芸制作部は、図を描くにあたってどのような点に着目しているのでしょうか?
ここではその作り方の作り方を少しだけご紹介します。

今回は「パッチワークの作品をバッグや小物などに仕立てる」という複雑な工程のページもあるため、特に立体物の作り方については、実際に縫っているときはどのような形なのか? というのを頭の中で常に意識しながら図を作成しています。

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その一方で、あえて「正確さ」より「分かりやすさ」を優先することも。

例えば、画像の「落としキルティング」は、縫い目のきわにキルティングを入れてモチーフを立体的に見せる手法ですが、図の位置は実際に縫い目を入れる場所から少しずらして視認性を上げました。

このように、手に取った方に「作ってみたい!」と思っていただける誌面を目指して、手芸制作部は様々な工夫を凝らしているのです。

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巻頭特集は「私の好きなサンボンネット・スー」。
この日除け帽(サンボンネット)をかぶった顔の見えない女の子・スーは、世界でもっとも人気のある図案とも言われ、1910年代のアメリカで誕生してから現代に至るまで、様々な姿のスーが生み出されています。
こちらの記事に詳しい説明があります)

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今回の特集でも様々な服装やシチュエーションのスーが登場しますが、中には振袖で日本のお正月を楽しむ姿も!

さすがパッチワーク界のアイドルだけあって、仕事の選ばなさがハンパじゃありません…この時代や文化の違いをものともしない順応性が、100年以上も世界中で愛されている理由かもしれませんね。

そして、来月1月25日からは東京ドームで「第17回国際キルトフェスティバル」が開催されます!
さらにキルトへの興味を深めたい方はこちらもチェック!
(昨年のウエイドスタッフ参加時の様子はこちら

“手作り”はあったかい思い出も作れます

日々の生活のなかで、ちょっとしたものが必要になったらご自分で作ってみては?

自分の好きな材料で、ぴったりのサイズで作ったものは使うたびに嬉しくなります。

今回は、子供の頃から刺しゅうや編み物に親しんできた林ことみ先生が、日々の手仕事を楽しむコツやちょっとしたテクニックを、ご自身の思い出を交えながら綴ったエッセイ。
誠文堂新光社さまから発売中の『手仕事礼讃 日々の暮らしの中に残したい 手づくりを愉しむコツと工夫林ことみ 著)』をご紹介したいと思います。

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ご存知の方も多いと思いますが、著者の林ことみ先生について改めて紹介させて頂きますと、大人気のハンドクラフト作家であり、編集者でもある方で、北欧で開かれるニッティングシンポジウムにも参加するほか、北欧のニットを国内に紹介する活動もされています。

我々ウエイドも何度かお仕事をご一緒させていただいていて、なんと弊社発行のフリーペーパー『茶柱探検隊』にもご登場頂いています。

コチラもあわせてどうぞ!

それでは、気になる本の中身をちょっとだけ拝見。

「わぁぁ…、あったか〜い。(о´∀`о)」

本書は全編に渡って版画風のやわらかい雰囲気のイラストがたくさん掲載されています。
掲載作品の写真はもちろん、林先生が普段使っているお気に入りの作業道具や道具入れも登場していて、こちらも味わいがあって素敵です。

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本の中で語られている思い出のエピソードとあいまって、ほっこりした心持ちになれるはずです。

ちなみに、そのまま読み進めて頂きますと、
今回ウエイドで担当している編み物の編み方説明図も登場します。
編み物初心者でも、編み方の基礎的な部分で悩まずに作れるように説明したイラストになります。

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長年多くの編み方説明図を手がけて参りましたが、見直すたびに、もっとこうしたら見やすいかなと細かな改良点に気が付いてしまうもので…。

本ごとで強調したい情報もその都度変わってくるので、奥深い手の掛かるヤツです。

しかし、図の良し悪しなど意識もせずに楽しく作れるように、と願って、毎回判りやすい作図に根気よく挑んでおります。

という暑苦しい話はさておき、

あったか懐かしい雰囲気に包まれた本書を読めば、楽しみながら手芸が上達するコツも見つかり、「何か作ってみようかなぁ」という気持ちがふくらんできます。

まだまだ寒い日が続きます。
使う人のことを想いながら作った一つだけの贈り物は、きっとあったかい思い出になるでしょう。
手作り大好きな方はもちろん、昔好きだった方、手伝いや授業で手作りした方などなど、いろんな方の次の手仕事のきっかけに、大推薦の一冊です。

北海道の大自然から生まれた模様、刺繍で再現してみませんか?

北海道を拠点に活動し、オリジナルのテキスタイルを手がける「点と線模様製作所」。
自然や植物、野生動物などをモチーフにした、素朴ながら生命力にあふれた図案が魅力です。

布博で行列のできる人気ぶりだとか。

その世界を刺繍で再現できるのが、グラフィック社さま発行の『ten to sen の模様刺繡 ハンドステッチで描く、素敵な模様の刺繡布』。

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合計20点の刺繍図案は、全てパターンを上下左右に繰り返し繋げられるようになっています。
好きな大きさの布に総柄刺繍をしたり、逆に図案から小さなモチーフを取り出してワンポイント刺繍にしたりと、この一冊でさまざまな創作の幅が広がります。

ウエイドでは、掲載図案(先生の手描き)の調整、小物の作り方ページの作図、そして基本ステッチのやり方の一部作図を担当いたしました。

図案は「作者さんのタッチをそのまま活かしたい」とのことで、手描きの原画をそのまま活かしつつ、刺繍の図案としても分かりやすくなるように色を一部加工しています。

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眺めているだけでもワクワクするような、素敵な図案に仕上がりました。

総柄刺繍は難しくても、小さなモチーフなら自分にも作れるかも…?
という訳で、「作ってみたのコーナー」!
今回製作するのは、ウエイド刺繍部新人にも作れそうな「刺繍ブローチ」です。

まずは図案から好きなモチーフをひとつ取り出し、布に刺繍していきます。

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図案を描くのと、実際に刺繍するのは勝手が違いますね…
フレンチノットのサイズが見事にバラバラです(泣)
でもどんどん刺して埋めていけば、気にならなくなるから大丈夫!

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悪戦苦闘しつつも、なんとか刺繍が出来上がりました。

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刺繍した布をブローチに仕立て、完成です!
(作り方の詳細については、ぜひ本を購入してご覧ください!)

同じ図案でも布と糸の色でイメージが変わるので、組み合わせを色々考えるのも楽しいですね。
最近はすっかり寒くなりましたが、冬の夜は北の大地に思いを馳せながら刺繍の世界に浸ってみるのも良いのではないでしょうか?

せっかくなので、ズパゲッティ作りました。

季節は着々と進み、もはや秋を通り過ぎて冬になりつつある今日この頃。
みなさん、編んでますか?

この度ウエイドではムック本『Mart ズパゲッティバッグBOOK3Mart編集部 著 / 編)』で、基礎図の部分を担当いたしましたので、そのご紹介をしたいと思います。

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編み物基礎図でも業界随一の実績を誇る我々ウエイド。
素材が毛糸からズパゲッティ糸に変わっても、追い求める正確で分かりやすいイラストのクオリティは変わりません。

今回で第3弾となる本書ですが、今まで編み方基礎図部分を写真で解説していた所、「やっぱりイラストの方が分かりやすいのでは?」という事で、我々にお声がけ頂いた次第です。

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その中でも見せ場は<ジグザグ編み>の基礎図。

こうした出番の少ない変則的な編み方は、類書でも言葉と写真だけで説明しているものがほとんどで、コピーを渡して「これと同じ意味の図」という発注はできません。
また、実際に編んでいる所の資料写真を渡しても、トレースするだけでは綺麗な図にはならず、誰にでも描けるものではありません。

是非店頭でよくご覧になって頂きたいです。
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すでに手芸書を多く手がけている編集者さんはもちろん、これから手芸書に挑戦しようとしていて、基礎図を掲載したい編集者さんは特に要チェックです。

興味のある方は、遠慮なくご相談頂ければと思います。

ところでこの“ズパゲッティ
最近SNSとかでも話題ですよね。
以前から注目されていましたが、いよいよ本格的にブームになっています。

先日も手芸屋さんに行ったら、エスカレーター前にコーナーができていました。
(その日は雨だというのにそこそこの人だかりで、男性も多かったのが意外…)

これはウエイド手芸制作部としても、作らにゃならん!という事で、
久々にやってきました。「☆作ってみたのコーナー☆」でございます。

編み物経験者ならサクサク編めるという事なので、この小さくてシンプルな「鍋つかみ」を早速作っていきたいと思います。

(実は僕、編み図を描くのは得意なんですが、編む方は存外ビギナーでして…。若干不安です。)

兎にも角にも、まずは中心の輪を作ります。
糸を引き締めると固くなりすぎるので、目の引っぱり加減が難しいですねー。

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(色々思い出しながら編んだので、出だしから30分くらいかかってしまいました…orz)

軸ができたら後はガツガツ編んでいきます。
ココからは目が大きい分簡単ですね。
Tシャツ生地は編むと毛糸より固いので、穴から糸を引き出すのがちょっと大変ですが、慣れればいつもと変わりません。

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5周編みました。何だかお椀のよう。

あとは、表に返して縁を引き抜き編み。
仕上げにストラップをつければ…

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ハイ!完成です!!

材料のせいか、なんだかソリッドな仕上がりになってしまいました。
大きいタニシ貝みたいです。

僕の場合は、序盤の苦戦でなんだかんだ2時間くらいかかってしまいましたが、普段編み物をされる方なら1時間もかからないのではないでしょうか。

やっぱりこの季節に、こたつで編み物するのはいいものですねぇ。
本書『Mart ズパゲッティバッグBOOK3』は、書店以外でも手芸屋さんのズパゲッティコーナーにも置いてあるかもしれないので、もし見かけた際はズパゲッティ糸と合わせてお買い求め下さいませ!