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歴史上の偉人をマンガで学ぼう!

これから出てくる言葉はある偉人の方々の言葉なのですが、皆さんはどれが誰の言葉か分かりますか?

『人民の人民による 人民のための政治を地上から決してなくさない』

『私は、あれこれ考えませんでした。ただひたすら、実験をくりかえしました』

『私はヨーロッパではどこでもよく知られています』

一番目は有名な奴隷解放宣言したアメリカの大統領の「リンカン」ですね。

二番目はX線を発見した、第一回ノーベル賞を受賞した「レントゲン」です。
分かった方、お見事!

三番目はいかがでしょうか?ヒントは女性の化石ハンターです。

正解は“メアリー・アニング”という女性の言葉です。
実は日本ではあまり有名ではないのですが、彼女がある貴族の質問に「自身の功績はヨーロッパ中が知っている」と豪語しつつ答えた時のものです。

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メアリー・アニングはイギリスの労働者階級に生まれました。
家具職人の傍ら、化石を発掘・販売することで家計の足しにしていた父親に化石発掘の面白さを教えてもらい、自らも生涯化石発掘に携わっていきます。

当時は女性の労働に理解が乏しく、力仕事の化石発掘を生業とすることで変わり者扱いされてしまうのです。

しかし、そんな中でも彼女はひたむきに化石発掘を続けて世界的な化石を発見し、支援者を次第に増やしていきます。
当初はいくら化石発掘をしても女性の身分が低いため、正式に論文や博物館には自分の名前が紹介されませんでしたが、やがて功績の大きさが広く知られるようになると、死の直前になってようやくロンドン地質学会から名誉会員として認められ、死後に彼女の功績は高く評価されることになります。

今回の実績のご紹介は、そんなアニングを含む三人の偉人についてマンガで学ぶことができる『コミック版世界の伝記』シリーズの三冊です。

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ウエイドでは装丁、見返し、登場人物の欄、巻末の解説ページと、主にデザイン関係を多数手掛けました。

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是非、注目していただきたいのは装丁です。
主人公イラストの存在感が引き立つように背景のデザインにこだわりました。

とくに「メアリー・アニング」の背景は彼女が発掘していた現場を彷彿させる写真を加工して、イラストに違和感なく馴染むように工夫しています。

また、これまでのシリーズの帯は定番の形式で作られていましたが、今回の「メアリー・アニング」でデザインをリニューアルしました。

お客様との相談やこちらからのご提案を何度か繰り返し、試行錯誤の上とても良い感じにできました。
色使いはメリハリを効かせて目を引かせつつ、彼女生涯のイメージが湧くような化石のイラストを用いて読みたいと思わせる仕掛けにしています。

さて、どの偉人も同じことが言えますが、自分の信念を持ってひたむきに取り組む姿勢は周囲の理解や支援を生み、やがて良い方向へと導きます。
特にこの三人の中で「メアリー・アニング」は境遇や環境に決して恵まれない中でも自分の信念を貫き、偉業を成し遂げたことに私はとても感銘を受けました。

その他にも、ウエイドは児童書にも実績があります。
今後もイラスト、デザイン、DTPでその書籍の魅力を発掘できるようお手伝いしたいです!

地図を見ながらゆったりたっぷりの〜んびり♪

突然ですが、私、ものすごい船酔いするタチです。

もう船に乗るだけで気分が悪くなり、北海道で遊覧船に乗った時も観光客の中で私だけ景色も見ずに船室で横になっておりました。
沿岸部をぐるっと回るだけの全く揺れない船だったので、おそらく体質ではなく精神的なものが原因だと思うのですが、それには一つ心当たりがあります。

私が小学校の低学年のころ、家族旅行で千葉県の鴨川に旅行に行きました。
記憶が曖昧ですが、そこでホテル三日月に泊まったりした覚えがあります。

その旅行の中で有名な観光スポットである鯛の浦に行き、漁船みたいなサイズの遊覧船に乗りました。
船底に開いたを窓を覗き込んで鯛の群れを上から見ることができたのですが、もうその船が恐ろしく揺れたのです。
船から降りるや私は漁港のベンチでしばらく横になり、以来「船恐怖症」ともいうべきトラウマが植え付けられました。(祖父と弟は全く平気でしたが…)

さて、前置きが長くなりました。
そんな私にとって色々と思い出深い鯛の浦ですが、今回思いがけずお仕事で地図を描くことになりました。
それが掲載されているのがこの本、洋泉社様から発刊の『新発見! 千葉 歩きたくなるふるさと20の物語』です。

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香取神宮新勝寺、江戸情緒の残る佐原周辺など千葉の観光名所を写真と地図で紹介しています。
今回ウエイドでは、地図の制作と本文デザイン・レイアウトを担当いたしました。

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この本は千葉の名勝を巡る旅行ガイドで、散策しつつその土地の歴史や、地元の方しか知らないような隠れた史跡を学べる仕様となっています。

お堅い歴史本ではないので、写真の配置には画一的にならないよう変化を持たせて軽やかな印象に、地図は簡潔に描きつつ要所をまとめ、旅のお供に最適な一冊に仕上げました。

いよいよ夏休みも近づいてまいりました。おすすめですよ!

それはそうと、三日月とかハトヤのCMって最近見ませんね。

自然の素材で100種類の「編みかご」がつくれます!

今まで当ブログでは様々な手芸本を紹介してきましたが、今回ご紹介するのはその中でもページ数・作業量・作品の難易度…どれもトップクラスの内容です。

誠文堂新光社さま発行の『草・つる・枝でつくる編みかご100 身近な自然で編むかごとリース 素材の採集方法から編み方まで』(佐々木麗子著)

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著者の佐々木麗子さんは、今まで数々の書籍を出版されている編みかご作家。
野の花司「自然素材でかごを編む教室」の講師を務められている方です。
その佐々木さんが過去に出版された4冊の本の内容を1冊にまとめ、装いも新たにリニューアルされての発行となりました。

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バスケットやキッチングッズ、コースターなど、自然の素材を使った作品の編み方を100点掲載。
元々4冊分の内容ということもあり、全271ページ・価格3000円という大ボリュームです!

今回、ウエイドでは
・表紙デザイン
・誌面デザイン
・作り方イラスト制作
・DTP
と、1冊まるごと携わらせていただきました。

この内容と価格に見合ったデザインを…ということで、高級感のある上品な雰囲気となっています。

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イラストは、過去の原稿を元に8割ほどを新たに描き下ろしています。
元のイラストは1冊ごとにそれぞれタッチが異なっていたため、統一感を出すことで作っている読者さんがストレスなく作業に集中できるようにする工夫です。
社内のイラストレーターチームが分担して描き直しました。
量はもちろんのこと、細かいイラストなので実は力作です!

さらに仕上がったイラストを素材として誌面をデザインする際も、デザイナーチームと連携を取りながら進めました。
このように、多くの工程が発生する作業を社内でスムーズに進められるというのが、イラストレーターとデザイナーが多数在籍するウエイドの強みでもあります。

ちなみに、タイトルに「素材の採集方法」とあるように、作品に使う材料は自然の植物。
もちろん手芸屋さんでは買えないので、作りたくなったらまず野山で素材を集めるところからスタートです。
(その工程も、本書に詳しく記載されています。ご安心を)

このようにかなり上級者向けの内容となっていますが、さらなる手芸の達人を目指したい方はぜひチャレンジしてみてください!

筋膜リリース!猫背も肩こりも解消!

全日本国民のみなさん。
肩こりにお悩みではないですか?

今や肩こりは国民病というように、
肩こりになったことがない人はほとんど居ないと思います。

生真面目な日本人は諸外国人に比べて肩こりの割合が多いのだとか…。
悲しい性ですね。

整体に通ったり、針治療してみたり、ときには筋肉に注射してみたり。
それでも直らないとなれば、もうダメだ。おしまいだぁ〜。

…と、ならないために、
肩こり民族日本人にウッテツケな健康法があります。

ズバリ「筋膜リリース」!
健康業界のトレンドですよ!

「耳慣れない言葉だぞ。」と言う方のためにざっくり説明致しますと。
筋膜とは身体のどこか一部分を指すのではなく、全身に張り巡らされている筋肉や内臓を覆う薄い膜のこと。
ず〜と同じ姿勢をしていると、キレイに整っていたこの膜が次第に歪んでしまいます。
放置すると歪んだまま固まって、肩こりや猫背の原因になるそうです。

この歪みを解消するためのストレッチや体操が筋膜リリース。

肩こりや猫背は肉体的にも精神的にもよろしくない万病のもとです。
なくせるものならぜひ取り除きたい!

そんな筋膜リリースのコツを豊富な写真とイラストを交えて解説した本が、
イースト・プレス様から発行されています 『筋膜リリースで肩こり解消!』です。
監修はの医学博士の武井仁先生。
「ためしてガッテン」「世界一受けたい授業」などTV番組でも大人気ですよね。

この度ウエイドでは本書の装丁・本文を含むデザイン一式と、図版・イラスト、DTPにいたるまでマルッと担当いたしました。

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本書はイースト新書Qでの好評を受けて、コンビニ向けに判型をA4に大型化、実際にやってみることをメインにビジュアルも大幅に強化してリニューアルしたものです。

写真も図もカラー化し、字がとても大きくなったので年配の読者さんにも優しいですし、一連のポーズを1ページに収まるように配置しています。
本を見ながら、途中でページをめくらずに筋膜をリリースする体操ができます。

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その他にも新書版からサイズを大きくする際に、そのまま拡大すると図やイラストの見栄えが変わってしまう部分があるので、図やイラストごとにメリハリがついて見えやすくなるように調整しました。

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読者さんが実際に使う際に、ストレスを感じず筋膜リリースに集中してもらえるような工夫です。

自分も含めて、筋膜リリースは日々デスクワークをしている方にはぜひ取り入れて欲しい習慣ですね。

毎日続けて、長年悩まされた肩こりともオサラバ☆
肩こり以外の色々な生活習慣病の予防にもなるかもしれません。
やらない理由なんてないじゃないですか!?

※急に無理なストレッチをするとけがにつながることもあります。本書をよく読んで、くれぐれも無理せずゆっくりと。
自分にあった範囲で続けましょう。

超☆画期的!買ってすぐ作れる洋服型紙!!

子供の頃付録付きの雑誌が好きでした。
小学◯年生とかタイトルのついたアレです。
雑誌にはあらかじめミシン目の入った厚紙のキットがついてきて、それを手で切り離して組み立てるとおもちゃになるというわけです。

もう雑誌自体の内容は全く忘れてしまいましたが、何か戦隊物ヒーローの武器を作ったような記憶があります。
私自身はほとんど戦隊物を見ていなかったのですけどね。
(でも忍者戦隊カクレンジャーのロボットは持ってました)

そう、なんでも買ってすぐ作れるというというのは大変お得感が強いのです。

そしてその「買ってすぐ作れる」を前面に押し出した斬新な手芸本がこちら。
NHK出版様から刊行の『NHKすてきにハンドメイド そのまま切って使える型紙BOOK』です。

この本では、型紙部分のトレースとレイアウトを、我々ウエイドが担当いたしました。

1冊で1アイテムが作れて、シリーズ第1弾として「はおりもの」「パンツ」「ワンピース&チュニック」が発売中です。
そして型紙が付録になっているのですが、実はこの型紙が他と一味違います。

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通常の手芸本では、一枚の型紙に複数の作品が重なって掲載されていたり、表裏両面に印刷されていたり、丈の長いパーツは分割されていたりします。
作品を作る前に、まず型紙を別の紙に写し、分割されたものはつなぎ合わせなければなりません。

下ごしらえなのに結構手間がかかるので、写し終わったところで「続きはまた明日」という経験のある方も多いのでは?

そこで、この『そのまま切って使える型紙BOOK』の登場です。
片面印刷で、パーツ同士が重なり合うことなく、縫い代つきで配置されていて、他の紙に写す必要がありません。
袋から取り出して、切り離して、そのまま洋服を作り始めることができます。

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ストレスフリー。
むしろ型紙の存在感を前面に押し出している感じです。

すごい贅沢! なんて革命的!
ご覧頂いた表紙からも伝わってきますよね。
一般的なソーイング本とは型紙の扱い方に一線を画しています。
作家さんや編集さんは、作りやすい型紙を付録にしたいと常々思いつつ、掲載作品全部の型紙を載せたいし、型紙のスペースは限られているし…と、制約の中で本作りをしています。
そんな中で思い切って作品を絞り込むことで実現した、挑戦的なシリーズです。

またお値段も大変リーズナブルで、一冊900円(税別)になっています。
型紙だけで1500円くらいの物もありますから、写真や作り方もついてこのお値段はお買い得ですね!

型紙デザインは著者の月居良子先生!
シンプルで作りやすいのに、着ると立体的でオシャレと、ソーイング界で長年ご活躍の方です。

なかなか作品を仕上げられていない初心者さんも、型紙写しが面倒になってきたベテランさんも、是非、試して頂きたいシリーズです!

『子供の科学』の付録で大人も超絶頭脳バトル☆

今回は誠文堂新光社さまから出版している子ども向け科学雑誌『子供の科学(通称:KOKA)』にて、付録「算数カードバトル」の制作を担当しましたので、そのご紹介をしたいと思います。

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本書『子供の科学』は創刊90年を超える歴史のある雑誌で、子供が科学を分かりやすく学べるように編集されています。

「どれどれ、最近の子はどんな勉強をしてるのかしら?」と、
中身をパラパラめくっていくと…、

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身近な動物の科学から、巷で話題の「チバニアン」、
近々必修科目になるというプログラミングのことまで、
写真・イラスト多めで楽しく賑やかに紹介されていました。

気づいたら僕もすっかり内容に引き込まれてしまい…。
きっと子どもに買ってあげる名目で、自分も真剣に読んでいる親御さんも多いのではないでしょうか?

さて、今回ウエイドでは、付録「算数カードバトル」のカード本体とルールブックの、デザインとイラストを丸ごと担当させて頂きました。

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楽しく賑やかな本誌のイメージにマッチするように、かつ、ルール説明の部分では読者の子どもたちが遊びながら、ストレスなく視覚的に内容を理解できるように、イラストや紙面の見せ方を工夫しました。

カード本体も数字の形を見分ける際に、「6」と「9」で「ビリヤードの玉のように下に線が入るのNG」というご要望も頂いておりました.ので、一目で「6」と「9」の見分けがつくよう、今回の付録用に数字を書き起こしています。

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本書の略称“KOKA”(子科)のロゴも、
上下を見分けるヒントになっています。

他にも、楽しくなる仕掛けを細々仕込みましたので、是非現物で遊んで頂ければと思います。

ところで、この「算数カードバトル」。

「頭脳をフル回転させて挑まなければ、勝つのは難しいゾ。」との事。

運だけではなかなか勝てなくて、ルールによっては必勝法もあるようです。
とても気になるので、実際に遊んでみる事にしました。
という訳でココからは、ブログの記事を書くためと上司にも少しばかりつき合ってもらいまして…。
遊戯王顔負け(?)の、ウエイドスタッフによる熾烈なカードバトルの模様をかいつまんでお届けします。

入門編ということでルールブックの最初に載っている「10づくりブラックジャック」で対決です。
シャッフルしたカードを二人で交互に引いて、足し算で先に10に近い数を作った方の勝ち。
10を過ぎたらドボン。その時点で負けです。

とにかくやってみましょう。デュエルスタートです!
まずはカードをランダムに並べて…

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四の五の言わずカードを引いて行きます。
一言ではとても語り尽くせませんが、たしかに運だけではない高度な算数の読み合いがあります。
かと思えば、“運”がなければ考え抜いた“計算”もアッサリ裏切られてしまう。
一見シンプルですが、以外と奥が深いです…!

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などと語っている間に上司のドボンで、最初のゲームは僕の勝ちです。
幾ばくかの申し訳なさを感じつつ……
「や、やった〜!」
(たとえ目上だろうと、真剣勝負に忖度ナシですよね ・`ー・´)*

カードに白と黄色の色分けがあるのがニクい所です。
場に残っている数字を推理して、「ここは攻めるのか?」「いや、ストップか?」みたいな駆け引き。
脳みその普段使っていない部分を使ったので、明日は頭が筋肉痛になりそう…。

そして、最後はキチンと後片付けも忘れずに。
(大事な制作実績なので、しっかり袋に戻します。)

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ここでも、なんとなく先に並べ終わった方の勝ちという流れになっていました…。

しかしこれは、ルールブックには載っていない新しいゲームの誕生です。
このカードは与えられた問題を解くだけではなく、自分で問題を発見する力も科学の分野では大切なのだと気づかせてくれたのです。

最後まで勉強になる素敵な付録だと思いました!

地味でおなじみの【応仁の乱】を華やかにデザイン!

日本史業界では、今【応仁の乱】ブームが来ているのはご存知ですか?
中公新書の『応仁の乱』が8月現在40万部突破の異例のヒットを記録していて、著者の呉座勇一さんはNHK「英雄たちの選択スペシャル」に登場するなど大活躍中。
これをきっかけに応仁の乱に関する書籍やムックが続々と発売されています。

この波は、歴史書籍のデザインや図版作成を多く手がけているウエイドにも当然やってきました。

それがこちら『応仁の乱 下剋上への道英和ムック)』でございます。
かみゆ歴史編集部様よりご依頼頂きました。

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そもそも【応仁の乱】とは?
「教科書で名前は習ったけれど中身はよくわからない…。」という感想がほとんどだと思います。
「戦国時代前夜」という位置づけですが、特に有名武将が登場する訳でもなくダラダラと約11年も続いた内乱なので、印象が薄いのも仕方ないかもしれませんね。

この度のブームもこの「スター不在」「だらだら続く」という印象の薄さを、逆手にとって火がついた経緯があるようです。弱点を、逆転の発想で魅力に変える、広告の力って偉大ですね。

しかし、この「印象の薄さ」は紙面制作の面では厄介です。群雄割拠の戦国時代に比べて、肖像画が残っている武将は少なく、主要な史跡もほとんど残っていないので、ページを演出するデザイン要素としての絵や写真が足りず、普通に作ると乱と同じく地味〜になってしまうのです。

この点を補うべく、ウエイドのデザインチームも知恵を絞りました。紙面のデザインでは各章ごとに変化をつけたり、背景の素材や装飾に工夫を凝らす等して、バラエティー豊かな仕上がりになっております。

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また登場するマイナー武将達の裏切りに次ぐ裏切り、あまつさえ家族親戚の間柄でも争う始末なので、相関図や勢力分布図も非常に複雑です。
どうやっても混み合ってしまう図版を、いかに見やすく美しくまとめるか。それが図版チームの腕の見せ所でした。

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歴史物を多く手がけるウエイドでも【応仁の乱】を扱う機会は少なく、各自勉強しながらの作業でしたが、ページによっては原稿や資料をしっかり読み込んで、既存の類書には無かった工夫を加えた分かりやすい図を提案できたと自負しています。
装丁から本文デザイン、DTPに図版、平面・3D地図制作まで、一冊まるっと制作しておりますので、ぜひ実際に書籍を手にとって見て頂ければと思います。