タグ別アーカイブ: 化学

文系のアナタも大歓迎の化学本!

今回ご紹介するのは裳華房さま発刊の『文系でもわかる3時間でわかる 超有機化学入門』(学習院大学助教 博士(工学) 諸藤達也 さん著)です。

shoukaboh_bunkei3H_P01

『文理を問わず大歓迎! たった3時間で有機化学が楽しめる』という、文系にも嬉しいこの1冊。

ウエイドは著者さん原案のアイコン化した原子キャラの作成と、親しみやすさを演出するイラストを担当しました。

shoukaboh_bunkei3H_P02

shoukaboh_bunkei3H_P03

「有機化学の発展の歴史にふれ、当時の反響のすごさが体感できる…! 語り口が面白い!」と、原子キャラの作成を担当した原田(理系)も絶賛です。

文系の方も理系の方も是非ご一読ください!!

 

医薬品業界が注目する植物メタボロミクスの世界をイラストで図解!

薬局で処方される漢方薬や植物由来のお薬たちを、“辛気くさい”なんて思ってる方いませんか?
「効き目が分かりづらい」とか「いつまで飲めばいいの?」なんて言いたそうな顔が目に浮かびますよ。

でも、想像力豊かな皆さんならきっとお分かりになるはず。

もし突然植物のいない世界に放り出されたら。
美容と健康の味方、ビタミンやリコピン、食物繊維だけではありません。
解熱鎮痛剤となるアスピリンに、あの有名なカフェインやポリフェノール。
それから抗がん剤の原料になる成分も無くなってしまいます。
……ああ、恐ろしい。実に恐ろしい!

そこで!
今改めて植物の重要性を実感した賢明なみなさまにお勧めしたい、これまた賢明な内容の一冊、『植物はなぜ薬を作るのか』(斉藤和季 著/文藝春秋)を今回ご紹介します。

ShokubutuHaNaze_hyousi_Bunshun

ゲノム科学などの分子生物学の進展によって明らかになりつつある、植物たちの薬を作る能力について、薬の歴史から最先端の研究まで幅広く、丁寧に解説しています。

薬学の基礎知識のある方はモチロンのこと、僕のような健康志向な一般人、さらには「化学の基本は習ったけど、薬学となると興味はあるけど詳しく知らないんだよね〜」という理系の方、さらにさらに薬学部に進もうか迷っている高校生までもが楽しめる内容です。
研究が進む事によって、多くの薬に配合される甘い薬効成分カンゾウのような、植物由来の化学成分が人工的に作り出せるようになるかもしれないとか。

この分野で、今注目されている著者の斉藤和季先生が、「○○は××に効く」といった効果だけ解説するのではなく、「どうしてそうなるのか」という仕組みまで踏み込んで説明しているので、入門書にありがちなモヤモヤをしっかり解消してくれます。

ShokubutuHaNaze_nakami01_Bunshun

ウエイドでは全体の解説イラストを、東大工学部卒という異色の経歴を持つイラストレーター原田くんが担当しました。(ウエイド発行『原田君にもわかる!日本史』のあの人です。)

内容が内容だけに、編集さんがイラストを依頼しようにもどんな図が適切か決めかねるとうことで、ここ幡ヶ谷から千葉大学まで、著者の先生との打ち合わせに参加させていただきました。

打合せの際には図の見せ方について様々なご提案をさせて頂き、先生からも簡潔で明快なお答えや描き方のアイデアをご呈示いただいたそうです。もちろん、これは化学の基礎知識がある原田くんだからこそできる事ですね。
その甲斐あって、専門用語が多くて文章だけでは伝わりにくい部分を、化学初心者でもついていけるようにヴィジュアル化できたのではないかと思います。

ShokubutuHaNaze_nakami02_Bunshun

特に今回のハイライトはこの“DNAトポイソメラーゼ Ⅰ と抗がん薬カンプトテシン”の働きを解説したイメージ図。

ShokubutuHaNaze_nakami03_Bunshun

薬学未習得の私には「トポ、メラ、…ん?」という感じでしたが、この図のおかげで細胞分裂の仕組みとカンプトテシンが効く理由が理解できました。たぶん…。

昨今、日本人のノーベル賞連続受賞で盛り上がるサイエンス界ですが、ウエイドのサイエンス系のお仕事も今熱いです!

手芸や歴史分野にくわえて、サイエンス系のお仕事もこの場でもっと紹介していきたいと思っておりますので、お仕事のご依頼・ご相談をドシドシお待ちしております!
Q.E.D

知ってビックリ!ゲノム編集のお話(サイエンス図解作成はウエイドにお任せ下さい!)

「ゲノム」と聞いて説明できる人はどれくらいいるでしょうか?
なんとなく遺伝子と関係したものであったような…
一般的にそんな曖昧な答えが返ってきそうですね。
実は、私もよく知りませんでした。

「ゲノム」とは生物の設計図である遺伝子に書き込まれた情報のことです。
このゲノムを編集することで、遺伝子が変わり、
そして遺伝子を元に作られている生物の性質が変化するのだそうです。
なんだかすごい。
 

いままでは偶然起きた遺伝子変化を元に交配を重ねて、
大きく育つ野菜や、肉質の良い魚・家畜など
より人間に都合のよい生物を作り出してきました。
しかし、これは偶然の産物であって「たまたまできた」というものなのです。

ゲノム編集の技術を使えば「こういうものを作る」と
ピンポイントで生物の性質を意図的に変化させ、
ほしい性質を持った生物を作ることができるようになるわけです。
よくいう「神の領域」ですね。
 

今回ご紹介する本は、そんなゲノムについて書かれた「ゲノム編集の衝撃」(NHK出版)です。
『ゲノム編集の衝撃』(NHK出版)表紙

「ゲノム編集の技術の発展とそれに伴う問題」について書かれています。
「こんなことまでできてしまうの!」と急激に進歩している技術のすごさに驚き、
「そこまでしていいものか…」と安全性や倫理的な問題に考えさせられる内容になっています。
生物学の専門家ではない、NHKの取材班による原稿のためか、科学が苦手でもわかりやすく、読みやすい本です。
一度手に取り、未来の片鱗を覗いてみてはいかがでしょうか。

そしてこの「ゲノム編集の衝撃」の図解をウエイドが制作いたしました。
参考資料によって異なるゲノムの表現を統一性のあるものにするなど、「1冊を通して一貫性のある図でわかりやすく」を意識して制作しています。
「化学は苦手」という人でも本文の内容をスムーズに理解できるはずです。
『ゲノム編集の衝撃』(NHK出版)図解

昔はよく「誰々の爪のアカでも飲ませてやりたい」ということをいいましたが、
未来では「誰々のゲノムを組み込んでやりたい」なんていうようになるのかなぁ…
と、くだらない妄想が頭をよぎる筆者でした。

ウエイドブログ 新学期準備号! 『小学総合的研究 わかる理科 実験・観察』 『小学総合的研究 わかる社会 歴史人物 できごと』(旺文社)

もうすぐ新学期です。新生活ですね。
昨年度の自分を振り返ってどうだったでしょう。

もう、絶好調すぎて怖いくらい?
いやぁ、うらやましいなぁ~
えっ?今生きている事が不思議なくらい不幸だった…
それは…、去年はサバイバル能力が鍛えられましたね!

でも今はそんな事はひとまず置いておいて、これからのこと、来年度の心配をしましょう。

クラス替えにご入学。はたまた転校?
新しい環境で、新しい生活がスタートします。
何事も最初が肝要。
小学生のお子さんが、より良いスタートダッシュをするために、オススメの本があります。

という事で今回の業務実績紹介は旺文社様より本日発売!
小学総合的研究 わかる理科 実験・観察』と『小学総合的研究 わかる社会 歴史人物 できごと
を今回もセットでご紹介です。
『小学総合的研究 わかる理科 実験・観察』(旺文社)表紙『小学総合的研究 わかる社会 歴史人物 できごと』(旺文社)表紙

総力戦です!
ウエイドでは本の装丁、デザイン、イラスト(キャラクター以外)・図版、DTPまで、広範囲を担当いたしました。
さかのぼること半年近く、プロジェクトが本格的に動き出したのは昨年の秋口ほどで、実務担当10人中9人が何らかの形で参加しました。(←ほとんど総力戦ですね)

日本の将来を背負って立つ小学生向けの本ですが、製作中に「あー、そうだった。そうだった。」に紛れて「え?そうだったっけ、どうだっけ…。」という所も恥ずかしながらあったりする、内容たっぷりの本です。できれば父兄の方々にもお子さんと一緒に目を通して頂きたい一冊です。
むしろぜひとも…。
フルカラーですから。眺めているだけでも楽しいはず。

学校の授業の補足説明という解説書的な位置づけではなくて、学校で習う内容にもっと興味を持ってもらって、「勉強ってけっこう楽しいよ」と感じてもらえる本だと思って頂けたらイメージに近いかと。

そういう訳ですから、今回の作業の上で大切にしていた事は『楽しそうなイメージ』。
レイアウトや色使いの部分の話をすると、見やすさを損なわないようにしつつも、紙面の流れに遊びを持たせたり。
整理されつつも明るく変化に富んだ色使いをするとかですね。
ページごとに雰囲気がガラリと変わる部分もあったりして、何となく眺めていた所から好奇心がくすぐられて、どんどん読み込んでいくようなスタイルを目指してます。

美しすぎる理科・歴史!
そうそう、このシリーズの目玉となっているところも紹介しなくてははじまりません。
本書はただイラスト豊富に理科や歴史の内容を解説するだけでなく、
理科では各章ごとに“イケメン先生”が登場して、読者にわかりやすく解説してくれるのです。
早くも池袋のロード方面から熱い視線を感じますな。
『小学総合的研究 わかる理科 実験・観察』本文
実験器具などの図解には東大工学部卒イラストレーターの原田くんも参加して、小学生に判りやすいだけでなく、一歩先を考えるヒントをちりばめたイラストになるよう張り切っていたようです。

歴史も各人物ごとに、流行の戦国ソシャゲにも負けない美麗イラストが入ります。
個人的には、やっぱり歴史を勉強する上で地図の勉強が大事なのと同じに、イメージを持ちやすくする工夫は大切だと思うので、人物のイラストが入るのはなかなかに効果的だと僕は思います。父兄の方々。

とにかくパラパラめくって、好きなページから広げていく勉強法もありだと思いますよ。
『小学総合的研究 わかる社会 歴史人物 できごと』(旺文社)本文1『小学総合的研究 わかる社会 歴史人物 できごと』(旺文社)本文2

この人物イラストの部分はシリーズ合わせると、その数、なんと約270人!
イラストレーターの方々にはずいぶん骨を折って頂いたようで。感謝です。
そういった人員面でもビッグプロジェクトだった訳です。

あっ、ちなみにウエイドでもイケメンイラストが描けないわけではないですよ。
描けますよ。イケメン。
僕も描かせてもらえるなら…、とも思ったのですが、今回はレイアウトに徹することとなりました。

小学生の興味を引く楽しいイラストや紙面構成でありながら、読んでみると内容はしっかり。
しかもどちらも400ページ以上で、ちょっとした図鑑や辞書並みの情報量です。
お子さんの本棚にそっと置いておくだけで、理科や歴史が好きな子に育ってしまうかも…!そんな願いと情熱のこもった本なので、見本が届いた時は一同喜びもひとしおでした。

もうすぐ新学期です。新生活です。
新しいクラスにはあんなイケメンや、そんな美少女もいる事でしょう。
しっかり準備して、彼らに負けないように例えば校庭のサクラのごときバラ色の学校生活を過ごして下さい。(サクラはバラ科の植物です)

でも友達にはこっそり「自分の勉強の秘訣はこの本だよ。」って教えてあげてね。

実績紹介 高校教科書『新版化学』(実教出版)図版

高校教科書『新版化学』(実教出版)表紙
高校教科書『新版化学』(実教出版)
多数の図版を担当させていただきました。
といっても、メインの作業をしていたのは平成23年前半なので、前職から引き続いての仕事です。作成してから実際に学校で使われるまで2年以上もかかります。一般書ではほとんど考えられない位、時間をかけ、たくさんの先生方の意見を取り入れて、じっくり作られているのです。

高校教科書『新版化学』(実教出版)図版 高校教科書『新版化学』(実教出版)図版 高校教科書『新版化学』(実教出版)図版
最近の主要教科の教科書は、フルカラーが基本で、図や写真も豊富でビックリします。
特に気体や液体の粒子を模式的に描く図で工夫を凝らしました。
目に見えない、奥深い世界ですが、自分の現役時代に解りにくかったこと、勘違いしたことを思い出し、少しでも誤解を減らせるようにしました。

授業で補われることが前提なので、教科書を読むだけで全てを理解するのは困難ですが、とてもとても多くの要素が凝縮されており、一言一言、一図一図に意味と思いが込められています。図だけでなく、本文もです。

一般書店では買えないものですが、思い入れの強い仕事として紹介させていただきました。